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らくちんイタリア語会話 vol.76
- 21 gennaio 2001 -
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今日のテーマ: il postino 〜 la forza di volonta`
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先週号よりお送りしています、イタリア映画『Il postino』(イル・ポスティーノ)で
学ぶイタリア語、今週もその続きです。先週号を読んでいない方はこちらをどうぞ。
らくちんイタリア語会話 vol.75 http://aromazzi.hoops.ne.jp/20010114.html
ある日、パブロの家に郵便を届けに来たマリオに、パブロは一通の手紙を開ける様に
お願いしました。それ程、パブロはマリオに心を開いていたのでした。
Pablo: Mi apri questa per favore?
これを開けてくれないか?
Mario: Chi? Io?
誰が? 私が?
Pablo: Si`.
そう。
Mario: La apro?
これを開けるんですか?
Pablo: Si`, ho le mani sporche.
そうだよ、私は手が汚れているんだ。
ノーベル文学賞に関する手紙でした。「もらえるかどうか分からないよ」というパブ
ロに、マリオは「Lo danno a voi, sicuro! 必ずあなたに賞をくれますよ、絶対!」
と言うのでした。
Mario: Apro le altre lettere?
他の手紙を開けましょうか?
Pablo: No no, lasciale li`, le leggero` piu` tardi.
いやいや、そこに置いといてくれ、後で読むよ。
Mario: Che... che... sono d'amore?
これは、その、、、ラブレターですか?
Pablo: Oh, che domande! Se ti sente Matilde!
おぉ、何て質問だ! もしマティルデ(奥さん)が聞いたら!
Mario: Scusate Don Pablo... Detto cosi` per...
ごめんなさいパブロさん... ただその...
Pure a me piacerebbe fare il poeta...
私も詩人になれたらうれしいのですが...
Pablo: No, e` piu` originale continuare a fare il postino.
いいや、郵便配達人を続けた方がいいよ。
Almeno cammini molto e non ingrassi mai.
少なくとも、たくさん歩くから絶対太らない。
Noi poeti siamo tutti obesi.
我々詩人はみんな太ってるんだ。
Mario: Eh, pero`, con la poesia posso far innamorare le donne...
えぇ、でも、詩で女性に好かれることができるし...
Che... Cosi`... Come si diventa il poeta?
その... そう... どうやったら詩人になれますか?
Pablo: Prova a camminare lentamente lungo la riva sino alla baia
guardando attorno a te.
海岸に沿って入江まで、周りを見ながらゆっくりと歩いてみなさい。
Mario: Mi vengono le metafore?
隠喩が浮かんできますか?
Pablo: Sicuramente.
必ずね。
マリオは、パブロに言われた通り、浜辺を歩き“メターフォレ”を考え続けました。
そんなある日、パブロとマリオは浜辺で会い、島では水道が整備されていないため
水がいつも不足していることを話していました。与党キリスト教民主党の議員は、
水道を作ると約束するのは選挙前だけで、ずっと工事は進行していなかったのでした。
Pablo: E voi non dite niente?
それであなたたちは何も言わないのか?
Mario: Che dobbiamo dire?
我々に何が言えるでしょうか?
Mio padre si`, ogni tanto bestemmia, ma da solo...
私の父親は言いますよ、時々ののしってます、でも独り言で...
Pablo: Mario, ci sono persone che con la forza di volonta`
riescono a cambiare le cose. E` un peccato.
マリオ、意志の力で物事を変えていくことが出来る人はたくさんいるんだぞ。
残念なことだ。
Questo posto e` cosi` bello...
ここはこんなに美しい所なのに...
Mario: Voi dite?
そうですか?
Pablo: Si`. Siediti.
そうだ。 座りなさい。
そしてパブロは、美しい海の詩をマリオに聴かせたのでした。
Pablo: Allora? Che cosa te ne pare?
それで? どう思う?
Mario: Strano...
変だ...
Pablo: Come strano? Tu sei un critico severo eh!
変とは何だ? おまえは厳しい批評家だな!
Mario: No no no, no la poesia!
いやいやいや、詩のことじゃないんですよ!
Strano... strano... come mi sentivo io mentre la dicevate.
変なのは... 変なのは... おっしゃってる時に私がそう感じたんです。
Pablo: E come ti sentivi?
どう感じたんだい?
Mario: Non so... Le parole andavano di qua e di la, no?
なんていうか... 言葉がこっちに行ったりあっちに行ったり、ですよね?
Pablo: Come il mare, allora!
つまり、海のように!
Mario: Esatto! Come il mare!
その通り! 海のように!
Pablo: Ecco! Questo e` il ritmo!
ほら! これがリズムだよ!
Mario: Infatti, mi e` venuto il mal di mare!
実際、船酔いしましたよ!
Pablo: Mal di mare!!!
船酔いか!!!
Mario: Non so come spiegare... mi sono sentito come una barca sbattuta
mezza tutte queste parole.
何て説明したらいいか...
自分がこれら全ての言葉の中で揺すられる船のように感じました。
Pablo: Come una barca sbattuta dalle mie parole?
私の言葉で揺すられる一つの船のように?
Mario: Eh.
えぇ。
Pablo: Tu lo sai cosa hai fatto, Mario?
おまえは何をしたか分かるか、マリオ?
Mario: Che ho fatto?
何をしました?
Pablo: Una metafora!
隠喩だよ!
Mario: No!
うそ!
Pablo: Si`!
ほんと!
Mario: Noooo!!!
うそだぁ!!!
Pablo: Come che no!
うそなもんか!
Mario: Ma veramente!!!
ほんとですか!!!
Pablo: Siii`! Ha ha!
そうだよ! ハハ!
そしてマリオは、パブロに問い掛けます。
「il mondo intero e` una metafora di qualcosa?」
「世界の全ては、何かの隠喩なのですか?」
パブロは考え込み、明日答えると言って海に泳ぎに出たのでした。
ちなみに上記の会話文では、マリオのナポリ系の訛りと、パブロのスペイン語混じり
(チリ人という設定の為)は、全て標準語に置き換えてあります。
また、マリオがパブロに対して用いている人称「Voi」は、古い用法もしくは特に南
部で多く使われる用法で、畏怖・尊敬の念を込めて話す時の「Lei」と同じ意味です。
さらに、マリオがパブロを呼ぶ時に付ける「Don」の敬称も南部で多く使われる敬称
で、「…氏、…さん」を意味しています。
今日の会話の中で、よく使う言葉は、「mi(= a me) piacerebbe 動詞の原形」です。
これは、形としては「mi piace 動詞の原形」(〜するのが好きです)の条件法の形
で、直訳では「〜することは私にとってうれしいことなのですが」となりますが、意
味は、「〜出来たらいいなあ、〜したいなあ」です。
「Vorrei 〜」(I would like to 〜、〜したいのですが)と同じ意味合いですが、
こちらの方がより奥ゆかしいというか、実現の可能性を前者より強くは主張せず、
希望的な気持ちを強調した言い方になります。
●語句
le mani = hands、両手。単数形は「la mano」、「-o」で終わるけど女性名詞。
piu` tardi = 後で。「A piu` tardi! ア ピゥ ターるディ!」=「また後でね!」
riva = shore、海岸
barca = boat、船
パブロとの交流の中で、マリオは“メターフォレ”を学ぶと同時に、まだ自分でも
気付いていない大切なことを学んでいくのでした。続きはまた来週! |