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らくちんイタリア語会話 vol.43
- 28 maggio 2000 -
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今日の言葉: Boh!
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まずは先週の日曜にイタリアで行われた Referendum(れフェれンドゥム:国民投票)
の結果からご報告します。以下は、5月21日付の『La Repubblica』の速報です。
Il quorum non c'e`
vota solo un italiano su 3
La stima definitiva: alle urne il 32,8% degli aventi diritto
定足数なし
投票は 3人に1人のイタリア人のみ
最終予測:有権者の32.8%が投票
Incassata la vittoria
il Cavaliere propone un governo tecnico per la riforma elettorale
勝利は決まった
“騎士”は選挙制度改革の為の実務的内閣を提案
国民投票は、定足数の50%をはるかに下回り不成立となったのでした。
ここで“il Cavaliere”(イル カヴァリエーれ:騎士)と呼ばれているのは、今回の
国民投票への不参加を訴えていた中道右派連合第一党の Forza Italia(フォるツァ
イタリア:がんばれイタリア)党首の Berlusconi(ベるルスコーニ)です。
この国民投票の目玉であった比例代表制の廃止によって安定議席確保を図ろうとして
いた与党連合第一党の左翼民主党が、先月の地方選に続き再び敗れ、ベルルスコーニ
が再び勝利したという結果になったわけです。この勢いに乗って、ベルルスコーニは
"Amato se ne deve andare, anche domani(アマートは明日にでも退陣すべきだ)"
とし、アマート内閣の退陣を強く要求しています。
「あれ、これってまた日本と似てるんちゃうの?」と思う方がいるかも知れませんが、
これまた中身が全然違います。日本の場合は、首相としてふさわしくない、一社会人
としてさえ全く尊敬できない人間が退陣要求されているのであって、イタリアの場合
は、国民が直接示した政策の是非の結果により退陣要求されているのです。
また、“il Cavaliere”の様な愛称で呼ばれているその他の有名なイタリア人には、
“l'Avvocato”(ラッヴォカート:弁護士)
= Giovanni Agnelli (ジョヴァンニ アニェッリ)
“l'Ingegnere”(リンジェニェーれ:工学士)
= Carlo De Benedetti (カルロ デ ベネデッティ)
等もいます。この3人は、イタリア経済界を代表する3人といえるでしょう。
アニェッリは、イタリア国内では(以前より落ちたとはいえ)今も圧倒的シェアを誇る
フィアット、ランチャ、アルファ・ロメオ、フェラーリ等々を傘下に抱え、また新聞
の La Stampa、デパートの Rinascente、Upim等、多くの企業を抱える巨大なフィ
アット・グループ、アニェッリ・グループを築き上げた人物です。また、トリノの名
門チーム・ユヴェントゥスも所有しています。ちなみに、FIATとは、「Fabbrica
Italiana Automobili Torino トリノ・イタリア自動車製造会社」の略称です。
また、1899年にFIATを創業したのは、彼と同名の叔父ジョヴァンニでした。
デ・ベネデッティは、かつて経営不振だったオリヴェッティを、世界有数の大企業に
育て上げたことで有名で、こちらも巨大な企業グループ、CONFIDE-CIRグループ・
デ・ベネデッティ・グループを築き上げた人物です。新聞の La Repubblica、週刊誌
の L'Espresso、ネットの Kataweb、パスタの Barilla等々も所有しています。
またベルルスコーニは、イタリアで最初の民放TV局を起こし、これまた巨大な企業グ
ループ、Fininvest(フィニンヴェスト)グループを築き上げた人物です。主要民放TV
3局、Canale 5(カナレ チンクエ)、Italia 1(イタリア ウーノ)、Rete 4(レーテ
クァットろ)の他、週刊誌 Panoramaを擁する出版社 Mondadori、百貨店の Standa、
広告会社 Publitalia '80等々、先の2グループと同様、イタリアのあらゆる業界に
進出している巨大グループのオーナーなのです。また、ミラノの強豪常勝チーム・
ACミランを所有していることでも有名です。
ベルルスコーニは、1994年には政党 Forza Italiaを結成、フィーニの Alleanza
Nazionale(国民同盟)と、92年の総選挙で大躍進を遂げたボッシの Lega Nord(北部
同盟)等と、中道右派連合を結成、94年の総選挙で革命的な勝利を収め、首相の座に
まで昇り詰めたのでした。(同年末には辞任に追い込まれてしまいましたが。)
しかし、これを機として、その後のイタリア政界に中道右派連合と中道左派連合の2
大勢力が争う形が出来上がっていったのでした。
今の日本の政界は、ベルルスコーニやボッシが登場する前の、戦後万年与党のキリス
ト教民主党に支配されていた頃のイタリア政界にそっくりといえるでしょう。
イタリア政界はこの10年弱で確実に変わりましたが、日本は変わっていません。
ちなみに、ジャンニ(短縮してこう呼ばれます)・アニェッリとベルルスコーニは、
イタリアのビジネスパーソン達から尊敬する経営者として常にトップクラスに選ばれ
ています。日本で例えるなら、前者は豊田章一郎か松下幸之助、後者は盛田昭夫か孫
正義か石原慎太郎か、といった印象でしょうか。
と、今回もまた前置きが長くなった為、今日の言葉は前回よりもさらに短め!です。
今日の言葉は「Boh ボー」です。
意味は、「さあ、知らんな、知らな〜い、知らんわ」という意味を持ちます。
Paola: Il quorum ci sara`? Che ne pensi, Marco?
イル クォるム チ サら? ケ ネ ペンスィ、マるコ?
定足数達するかしら? マルコ、どう思う?
Marco: Boh! Che ne so io!
ボー! ケ ネ ソ イオ!
さあな! 俺が知るかよ!
Paola: Ma, vai a votare domani?
マ、ヴァイ ア ヴォターれ ドマーニ?
でも、明日投票行くの?
Marco: Boh!!!
ボー!!!
さあな!!!
Paola: Ma che maleducato sei!!!
マ ケ マレドゥカート セイ!!!
なんてだらしのない人なのあんたは!!!
こんな会話が、先週の土曜日にはイタリアのどこかで交わされていたかもしれません。
これを言う時は、あごをちょっと上げ、眉をちょっと上げ、目は半開き、肩をちょっ
とすくめ、口をちょっと突き出しさくらんぼ大に真ん丸に開け、口の中で反響させる
ように、軽く「ん」を前に入れて「んぼお」と発音すると、それっぽいです。
ただ、あまり行儀のいい表現ではないので、友達以外の人、イタリア人上司、先生等
には、使わないようにして下さいね。「Vattene via!!! ヴァッテネ ヴィーア!!!
出て行けーっ!!!」と怒鳴られてしまうかもしれません。
●語句
c'e` = there is 〜、〜はある。「non c'e` 〜」は「〜はない」。
ci sara` = there will be 〜、〜はあるだろう。
「ci sara` 〜?」は「〜はあるだろうか?」
Che ne pensi? = よく使う表現。「(〜について)あなたはどう思う?」の意味。
尊敬形で言う場合は3人称で「Che ne pensa?」となります。
「Che ne dici?」=「(〜について)あなたはどう言う?」も同意。
これらに続けて「di 〜」が続くと、「〜について、〜するのは」
という意味になります。
Che ne so io. = よく使う表現。「(〜について)私が知る訳ないじゃん」の意味。
「Non lo so ノン ロ ソ」が単に「(〜について)私は知りません」
に対し、こちらは「どうして私がそれについて知っているだろう
か、いや、そんな訳ないじゃないか」という感じ。
「Che ne so」でも同じ。
vai = you go、あなたは行く
votare = vote、投票する
domani = tomorrow、明日
Che = what
maleducato =「mal (=badly、悪く)」+「educato (=educated、教育された)」で、
しつけの悪い、行儀の悪い、不作法な、だらしない、の意味。
sei = you are、あなたは〜です
この「ぼ!」という音も、「ぽこ、うんぽ、ちょえ」と同様、なんとも親しみのある、
憎めない、やんちゃな音ですね。「イタリア語、おもろい音特集」でございました。
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