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らくちんイタリア語会話 vol.39
- 30 aprile 2000 -
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今日のテーマ: Buon Golden Week!
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今日4月29日は、シエナ(正しい発音はスィエナですが前者で通します)の守護聖人、
聖カテリーナの日、そして今日から5月1日までアッシジ(正しい発音はアッスィーズィ
ですが前者で通します)では、毎年恒例の春の訪れを祝うお祭り「Calendimaggio
カレンディマッジョ」が開催されます。
イタリアで最も素晴らしい季節が、いよいよ本格的にやって来ました。
そしていよいよ日本はゴールデンウィークに入りました。イタリアも、明日は5月1日
「Festa del lavoro フェスタ デル ラヴォーろ:労働記念日」の祝日でまたも連休
となり、ヴァカンスの雰囲気はいまだ継続中といった感じです。
というわけで、今日は勉強もお休み! で、最近のイタリア徒然話をさせて頂きます。
5月1日は、世界的にはいわゆる「May Day メーデー」なわけですが、イタリアでは
「il 1 maggio, non si lavora. イル プりモ マッジョ、ノン スィ ラヴォーら」
「5月1日は、働かない日です。」なわけで、祝日となるのです。日本でいう「勤労感
謝の日」の意味合いも兼ね備えているわけです。欧州は祝日となる国が多いですね。
でも音楽好きなイタリア人にとっては、今年の労働記念日は一味違ったものになり
そうです。以下は4月12日付の新聞『La Repubbulica』中の記事です。
「Giovanni Paolo II e Lou Reed
Primo maggio sacro e profano
Festa dei lavoratori diversa: concerto a Tor Vergata
davanti al Pontefice, per la campagna Jubilee 2000」
「ジョヴァンニ・パオロ2世とルー・リード
聖と俗の5月1日 一味違った労働者記念日:ローマ大学にてコンサート
法王の目の前で、ジュビリー2000のキャンペーンで」
大聖年(Grande Giubileo: Great Giubilee)を記念したイヴェントのひとつで、
毎年3大労組主催で行われるローマでの5月1日のコンサートで、世界の最貧国の
債務帳消しを訴える「ジュビリー2000」のキャンペーンが行われるのです。
この5月1日のコンサートには、ルー・リードの他にも、アラニス・モリセット、ユー
リズミックス、ユッスンドゥール、イタリア人ではアンドレア・ボチェッリ、イレー
ネ・グランディ、ビアージョ・アントナッチ等々の参加も予定されています。
肝心のボノは、例によって正式な発表はないものの、参加の可能性もあるようです。
ジョヴァンニ・パオロ2世がスピーチを行ない、アンドレア・ボチェッリが法王に
捧げる歌を歌い、最後に大御所ルー・リードが登場するらしいです。
この模様は、RAI(イタリア国営放送)他、世界各国で放映されるそうです。
しかしこのルー・リード、イタリアで意外な程(?)人気がある気がします。私は大大
大好きだからいいのですが、日本に比べたら待遇が顕著に違っています。
ある時、パーティーで即興バンドを結成し、ポピュラーな曲を何曲か歌ったのですが、
リーダーのイタリア人が「ルー・リードの『Walk on the wild side』もやろう!」
と言い出したので、私が「私は大好きだからいいけど、お客さん知ってるかな?」と
言ったら、「もちろん!」という答えが返ってきました。
彼の呼ばれ方がまた面白く、「il rocker della "Grande Mela" イル ろッケる
デッラ "グらンデ メーラ":"ビッグ・アップル"のロッカー」とか「il cantante
newyorchese イル カンタンテ ネウヨるケーゼ:ニューヨーク人歌手」とか、
「grande folk-rock metropolitano グらンデ フォルクろック メトろポリターノ
:偉大なアンダーグラウンド・フォーク-ロック」とか呼ばれています。
NYの一番フラチな部分を象徴するアーティストであるルー・リードが、最も対極な
聖なる存在である法王の前で演奏するんですから、これは革命的といえるわけです。
以下は、『New York Post』の記事を引用した『il Mattino』の記事の一部です。
「il Vaticano fara` una passeggiata sul lato selvaggio.」
「ヴァティカンが、"ワイルド・サイドを歩く"。("Walk on the wild side"を
かけて、『今までとは違う、新しい過激な路線を踏み出す』という意味で。)」
「Lou Reed che suona per il Papa? Meglio tardi che mai.」
「ルー・リードが法王のために演奏? 遅くともしないよりはまし。」
「Un altro muro e` caduto.」
「またひとつ、壁が壊された。」
「ジュビリー2000」といえば、イタリアでも絶大な人気を誇る大スター、U2のボノが
この運動を提唱し、サンレモ音楽祭にゲスト出演し、イタリアでこれまた若者のカリ
スマ的存在でゲスト出演したジョヴァノッティと共に、当時の首相ダレーマや彼に対
抗する2大勢力のひとつ中道右派連合代表のベルルスコーニとの会談も実現する等、
大きな話題を集めていました。以下は、その時のボノのコメントの一部です。
「Papa, grazie mille. Signor D'Alema, grazie mille per la promessa.
Signor Berlusconi, aiuti il signor D'Alema ad aiutare Jubilee.
Questa non e` politica, ma e` la vita della gente.」
「法王様、ありがとうございます。ダレーマさん、約束ありがとうございます。
ベルルスコーニさん、ジュビリーを助けるダレーマさんを助けてあげて下さい。
これは政治の問題ではありません、人の命の問題です。」
ジョヴァノッティがサンレモ音楽祭の舞台で、「D'Alema, cancella il debito!
ダレーマ、カンチェッラ イル デビト!:ダレーマよ、債務を帳消しにしてくれ!」
とラップで叫んだのは、強烈でした。魂の無い愛の歌より、ずっと感動的でした。
このラップの中で彼は、死に瀕して本当に苦しんでいる人々の国への債務帳消しを
訴え、このジュビリー2000に賛同する法王ヴォイティワ(ジョヴァンニ・パオロ2世
の本名)に感謝し、ダレーマ首相の協力を訴え、G7の協力を訴えたのです。
ジョヴァノッティの「Cancella il debito」の一節を、RAIのサイトでRealPlayer
で見る事が出来ます。 http://www.raiuno.rai.it/sanremo2000/index6.htm
サンレモ音楽祭直後の2月27日付の新聞『La Repubbulica』では、
「Classifiche a parte, il festival l'hanno vinto Jovanotti e Bono.」
「(優勝・準優勝等の公式に発表された)順位はさておき、音楽祭で優勝したのは
(ゲスト出演した)ジョヴァノッティとボノだ。」という論評もあったほどでした。
ダレーマといえば、先日16日に行われた15州の知事選挙で、ボッシのレーガ・ノルド
(北部同盟)と再び手を結んだベルルスコーニの中道右派連合が勝利し、ダレーマの
中道左派連合が破れたことによって、ダレーマが辞任してしまいました。
来年春の総選挙までの間ではありますが、首相経験のある元社会党のアマートが首相
に選出され、前内閣をほぼそのまま引き継いだ新内閣が誕生しました。
こうして見ると、あれ日本と似てるじゃんと思う人がいるかもしれませんが、全然
中身が違うのです。アマートは、顔こそトーポ(ねずみ)似でちょっとオトボケ風で
すが、かつての首相時代にはあの悪評高きスカラ・モビレ(賃金スライド制)を廃止
した、経済通の実務派なわけです。新しい内閣も、国会の承認を得て初めて正式に
発足するのです。やり手の改革派だからこそ保守層の反発を買い、厳しい政局を強
いられているのです。
それに対して、日本はといえば、国会の承認もなく、隠密の内に決定されたばかりで
なく、世界のマスコミからも「失言の多い」「資質のない」と評判の人物なわけです。
かつて、イタリアの政治は日本のそれに似ていると言われてきましたが、90年代以降
現在に至る状況は全く違うのです。万年"汚職"与党だったキリスト教民主党は、今は
改名し縮小、黒幕アンドレオッティも(マフィアとの癒着疑惑では無罪にはなったが)
第一線から退き、80年代には「第2のイタリアの奇跡」と言われた経済復興を果たし
た元社会党の首領、クラクシも、汚職政治家の名だけ残し今年の1月亡くなりました。
その後イタリアは、様々な問題は残すものの、中道左派と中道右派の2大勢力が争う
以前よりは“健全な”政治体制を確実に築いてきているのです。
以下は、今回の州知事選挙直後の4月17日の新聞『La Repubbulica』の記事です。
「Cresce l'astensionismo : ha votato il 72,6 per cento
Nel '95 la percentuale era stata dell'81,3%」
「政治不参加主義、増大 : 72.6%の投票率
95年の選挙では、81.3%だった」
この記事を見て、恥ずかしくなるのは、私だけではないはずです。
「イタリアで選挙に行かない人が増えた、投票率が7割台に減った」なんて、
恥ずかしくて、イタリア人に日本の政治の話なんか出来ません。
日本の投票率が、いつも5割そこそこだなんて、世界の恥さらしです。
それに加え、日本の今の首相は、「目新しさ」だけを狙って投票日を土曜日にしよう
とするなんて、あからさまに投票率の増加を抑え、今の与党に有利なように持ってい
こうとしているのです。
さらに、5月1日はその日本の首相がイタリア入りするに当たり、今やイタリアのヒー
ローとなったナカタを“ホスト役”にするそうです。サッカー好きで知られるアマー
トの気を引こうとするものです。世界一「furbo」で、政治に関してはとりわけ批判
精神旺盛なイタリア人を、そんな手で騙そうとしても無駄です。今の日本の首相は、
もはやイタリアでは「senza qualita`」で知れ渡っているのです。
今度の沖縄サミットでは、「ジュビリー2000」に関連する最貧国債務帳消し問題も
議題に取り上げられる事が決定していますが、これに唯一はっきりした意見を表明
していない国も、日本なのです。
話がどんどんそれていってますが、最後にこの言葉だけ、書きたいと思います。
アパルトヘイトを行なっていた頃の南アフリカに「私はノン・ポリティカル(政治に
は関知しない)なんだ」と言って、平然とアパルトヘイトを推奨する政治家の招待で
演奏を行なっていたミュージシャン達に対して、その頃心あるロッカーやラッパーと
共にアパルトヘイト廃止運動を精力的に行なっていたボノの言葉だったと思います。
「ノン・ポリティカルであることこそ、最悪のポリティカル(政治的)問題だ。」
最後は、イタリアとはあまり関係ないところでオチがついてしまい、ごめんなさい。
Comunque, vi auguro un Buon Golden Week!!!
みなさま、よいゴールデンウィークを!!! |